庭 の 管 理 情 報 2009

2010年第20-34号 2011年第35号-

第19号 「 大雪でした!」

2009. 12.30

 それにしても12月としてはめずらしい大雪でした。
今回は平野部での積雪が多かったようです。
その上湿った重い雪が木の枝に張り付いて、なかなか取れず
大きな枝が折れた樹が、あちらこちらで見うけられました。

 今年は暖冬予報だったので、なおさら油断していた方も
多かったのでは...。

 私の庭も、お客様の冬囲いが終わってからなので
ぜんぜん間に合わず、がんばってスコップで払ったのですが
何本か枝が折れてしまいました。

 なお、折れた枝は、早めにノコギリなどで枝分かれの所まで
切り戻しをして下さい。

 さて、今年も一年が過ぎようとしています。
皆様方の庭が、心と体を癒す場でありますよう
来年もこのページでお手伝いできればと思っております。

 それでは、良いお年を!

 
第18号 「 季節が少し変ですねー 」

2009. 12.12

 冬囲いも真っ最中ですが、今年の初冬は季節の
移ろいが少し変な気がします。

 右の写真は早春に咲くレンギョウですが
なんと、2−3日前の写真です。
レンギョウばかりか、ツツジの仲間もあちらこちらで
咲いています。
推測ですが、11月の始めに初雪が降って気温が下がり
その後1ヶ月あまり気温が高い日が続いたせいかも
しれません。
長くこの仕事に携わっていますが、こんな事は今まで
無かったような気がします。

 来週あたりから気温も平年並みに下がるらしいですが
近年の異常気象の影響が庭木にもと、少々心配に...。

 先回の庭の管理情報にも書きましたが、季節外れの花が
咲いた樹には、特に丁寧に施肥をお願いします。

第17号 「 冬囲いが始まりました 」

2009. 11.21

 このところ雨ばっかりで例年より遅くなりましたが
冬囲いが始まりました。
まだ紅葉がちらほら残っていますが冬の準備を...。

 最近の庭は松などが使われず、何十本も縄が下がる
雪吊りもめっきり少なくなりました。
仕事とはいえ、きれいに仕上がると気持ちがいいです。

 使用する縄は、稲わらで編んだものが、樹のためにも
環境にも良いと思います。
選ぶ基準ですが、少し高くても編み込みがしっかりして
重いものを選んでください。
太さは2分が使いやすいと思います。
それと、縄を出す面が決まってますのでご注意を。
反対から出すと、よじれて大変です。

 これから雪が降る前までは、樹のための肥料やりの
季節でもあります。
油かすなどの有機肥料をまいてください。
できればスコップ等で小さな穴を開けて入れると
流れたり、雑草の肥料にならずに良いと思います。

第16号 
「 害虫情報 No.10 & 乾燥注意報 」

2009. 9.9

 しばらく雨が降っていません。
ツツジやアジサイの葉が下に向いてきたら、水やりを。
予報によれば今晩は雨とのこと、期待しましょう‥‥。

 写真はヤマボウシの幹に入ったテッポウムシの穴です。
カミキリムシの幼虫の総称をテッポウムシ(鉄砲虫)と
いうのですが、これがなかなかやっかいです。
ヤマボウシや、ナナカマド、ブナなどに入るのは、
幹の中を垂直に食害しますが、モミジやエゴノキなどに
入るものは幹の周りを食べ、すぐに樹を枯らしてしまいます。
根元に木くずが落ちていたら、その上に小さな穴が開いて
いますので、ノズルの付いた殺虫剤を注入してください。

 そして今日、仕事先の2軒のお宅でチャドクガがいました!
今年、二回目の発生ですが、なんだか一回目より多く
なりそうです。こちらも要注意です!





第15号 「 害虫情報 No.9 」

2009. 9.2

 アメシロの被害もしばらく続きそうですが
新たな害虫が出始めました。
モンクロシャチホコ」です。
サクラ、ウメ、カリン などのバラ科の樹木に付きます。
最初は小さく固まっていますが、大きくなるとちらばって葉を食べます。
 
 幼虫に毒はないのですが写真の大きさ(5-6cm)になると大量に葉を食べますので、樹にとっては大敵です。

 変な名前の由来は、成虫の蛾に羽織の紋のような黒い斑点があるのでモンクロ、幼虫が反り返える様子が
シャチホコに似ているので付けられたそうです。

 害虫の中では見た目で一番の嫌われ者です。

第14号 「 害虫情報 No.8 」

2009. 8.20

 今年は雨が多かったせいか、7月中の害虫の発生は
少ないようでした。
 その代わり、スス病やウドンコ病などの病原菌による
被害が多く見られました。(写真はスス病)
 畑の野菜も生育が心配されます。

 お盆が明けてようやくお日様が出てきたら、害虫も、、。
今年二回目のアメシロ があちらこちらで大発生しています。
先回のイラガと共に、しばらく要注意です!
 

第13号 「 害虫情報 No.7 」

2009. 8.6

 今日、ヤマボウシに毛虫がいるとの事で行ってきました。
2センチくらいに成長したイラガの幼虫です。
触ると毒液を出し、そうとう痛いです。
(写真を撮る時うっかりして刺されてしまいました、、イテテ)

各地で呼び名が異なり、ビリビリする痛みから「デンキムシ」と
呼ばれる所も、、、。
ちなみに家の近くでは「シバゲムシ」と呼んでいました。

 モミジやヤマボウシ、バラ科の樹も付きやすいですが
あまり樹種を選ばず食害します。

 葉の裏側に付いていて、最初は葉っぱが透けてきます
そのうち黒い小さなフンがたくさん落ちてきて気づく事が
多いのですが、うっかりすると丸坊主になってしまいます。

 駆除方法は他の毛虫と同様に、ディプテレックス等を
700倍くらいにして散布して下さい。
散布ができない方は、楽風景までご連絡下さい。

第12号 「 モミジの剪定 」

2009. 7.18

 今年の梅雨は降雨量が多いような気がします。
庭木もだいぶ生い茂ってきました。

 この時期、適度な剪定をしないと風通しや日照が滞り
病害虫が発生しやすくなります。
ただ、暑い夏を迎えますので、強い剪定は控えてください。

 写真はモミジの仲間のコハウチワカエデです。
上が剪定前、下が剪定後です。約1/3ほど葉を取りました。
剪定をしないままだと下の葉に光が届かず、その部分は
やがて枯れてしまいます。
また、モミジは、できれば手で折った方が樹のダメージが
少ないです。
(鋏やノコギリを使うと元の枝分かれした所まで枯やすいです)



第11号 「 害虫情報 No.6 」

2009. 7.11

 梅雨らしい天気が続いています。
この時期、樹々もぐんぐん成長します。
梅雨の晴れ間に生い茂った枝や葉っぱの剪定を
する人も多いと思いますが、ハチに御用心を。

 右の写真は、今日の仕事先でのものです。
ハチの名前は「コガタスズメバチ
小型といってもキイロスズメバチ よりも大きく
主に樹の枝に巣を作るので、私たち庭仕事をする
者にとってはやっかいです。

 今の時期は、女王バチと働きバチ数匹が
子育てと巣作りをしていますが、秋になると
巣も大きくなり、ハチの数も増えます。

 事前に巣を見つけられれば良いのですが
マーブル状の迷彩色なので、なかなか、、。

 枝をゆすったりすると、威嚇してきます。
今日もハチが出ている写真を撮ろうとして
揺らしたら、一直線に向かってきました!
みなさん、ハチが同じ所を頻繁に飛んでいたら
気を付けてください

第10号 「 害虫情報 No.5 」

2009. 6.11

 
 久しぶりの雨が降っています。樹々たちも
さぞ喜んでいる事でしょう。
 
 さて、今年最初の「アメシロ」が発生しました。
写真のように、まだごく小さいですがプラムの葉に
たくさん付いていました。
まず、葉っぱが食べられて白くなります。
次にネット状の白い糸を出し、徐々に食害が広まり
やがて、丸坊主に、、。

 ほとんどの落葉広葉樹に発生しますので、注意して下さい。
 (ウメ、サクラ、ハナミズキ、ヤマボウシ等々)

 見つけ次第、枝ごと切り取るか、薬剤散布を。

 
 第9号 「 庭の道具2と、乾燥注意報 」

2009. 6. 6

 今、サツキツツジの花がきれいです。
今年は例年に比べても、花の付きが良いようです。

 ツツジの仲間は、花が終わるとすぐに来年の花の
準備を始めます。
できれば花が終わったらすぐに、遅くても今月中の
剪定をお薦めします。

 剪定には良く切れる、刈り込み鋏があると作業が
早く終わりますし、樹のためにも良いと思います。
今回も、楽風景で使用している鋏を紹介いたします。
「岡恒」というメーカーの刈り込み鋏 ですが、
長時間、使用しても疲れにくく、自信を持って
お薦めできます。(柄の長さ55cmがベスト)

  あと、しばらくまとまった雨が降っていません。
庭木の水切れには、充分ご注意下さい。

 
第8号 「 害虫情報 No.4 」

2009. 5.22

出ました!「チャドクガ」。

 今年最初のチャドクガが楽風景のツバキに付きました。
毛虫の中でも、一番やっかいな毒を持っています。
直接触らなくても、とても細かい毒針(毒針毛) が風に乗って
衣服を通し、皮膚に刺さります。
 かゆみもひどいのですが、何回も刺されると蜂と同じように
ショック症状(寒気、心拍不安定)がでる事があります。
私自身も何度か病院のお世話になりました。

 これからの季節、ツバキ科(ツバキ、サザンカ、チャノキ、
まれにナツツバキ)の樹には十分お気をつけ下さい。

 小さく固まっている時は、殺虫剤のスプレーでもOKです。
枝切り等で切って捨てても良いのですが、振動を与えると
糸でぶら下がって落ちてしまいますので、お気をつけ下さい。

くれぐれも、直接触ったり、風下には行きませんように

 毛虫が広がった場合は、殺虫剤(ディプテレックス等)を
700倍くらいにして散布して下さい。

 私が庭の仕事を始めた、二十数年前は 新潟ではほとんど
見かけなかったのですが、この所の温暖化の影響でしょうか
最近は毎年のようにあちらこちらで見かけます。

 チャドクガは、これから9月頃まで目が離せません。

 

第7号 「 害虫情報 No.3 」

2009. 5.13

やっと恵みの雨が降りましたね!
 つい先日、お客様から連絡がありました。
「庭のナナカマドに毛虫が!」さっそく駆けつけますと
いました!「オビカレハ 」。
写真のような綿状の巣が数箇所あり、大きくなった幼虫が
あちらこちらにいて、だいぶ葉っぱが無くなっていました。


 さっそく薬剤散布です。ディプテレックスの700倍液を
展着剤と一緒に散布しました。

 アメシロに良く似た巣ですが、幼虫はだいぶ大きくて
約5〜6センチくらいです。
放って置くと、あっと言う間に丸坊主ですので、巣のうちに
発見して、処分するのがベストでです。
ウメやサクラ、モモ、ナナカマド、などバラ科の樹が
好みのようですので、お気を付け下さい。

 別のお宅では、ヒイラギモクセイの新芽に「ノメイガ」の
幼虫が大量に付いていて、葉が茶褐色になっていました。
キンモクセイなども要注意です。

 
 第6号
 「 害虫情報 No.2 &乾燥注意報 」

2009. 5. 8

 連休中のオープンガーデンは、お天気にも恵まれて
皆さんから楽しんで頂けたようです。
おいで下さいました皆様方、ありがとうございました!

 さて、暖かくなって来ると、さまざまな害虫も動き出します。
アブラムシもこの時期、新葉に目立つようになります。
雨も降らないのに葉っぱが、濡れたように光っていたら
アブラムシの排泄液です。
そのままににしておきますと、スス病などになりますので
「庭に管理情報 第2号」を参考にして、駆除してください。

 写真は家のミカンの木です。毎年アブラムシが付いて
スス病になるので、父が本を参考にしてぶら下げました。
なんでも光る空き缶が、アブラムシ除けになると書いて
あったので、やってみたそうです。(美観的には?)
上手く行ったら、ご報告いたします。

 その他、農薬を使わない方法として、牛乳を薄めて散布する
等々、いろいろあるようですが、これはと言うものが
ございましたら、ご一報下さい。

 あと、しばらく雨が降っていませんので、水やりをお忘れなく。

 
号外 
「 オープン ガーデンのお知らせ 」
 

2009. 4.22

 樹々の新緑が、目にしみる季節になりました。
そんな楽風景の周りの景色を、皆様方に見て頂きたく
今年の連休中に、2日間だけですが、オープン ガーデン
として、開く事になりました。

 当日は、庭に関するご質問、ご相談等に、お答えする事が
できればと思っておりますので、お時間がございましたら
どうぞ、遊びにおいで下さい。

     ********** 日 時 **********

 5月3日()   午前11時頃 〜 午後6時頃まで
    4日(月、祝日)   //         //

 ※ なお、有料ですが、おいしい珈琲もお飲み頂けます。
   詳しくは「楽風舎だより」をごらん下さい。

 
第5号 「 害虫情報 No.1 」
  

2009. 4.22

 樹々の若葉が目に眩しい季節になりました。
そんな柔らかい葉っぱを食べてしまう毛虫が発生しました。
(画像をクリックすると大きい画像が見られます)

 右の写真は「ミノウスバ」の幼虫です。
2日ほど前に、コマユミの葉に大量発生していました。
主にニシキギ科の植物を食べて成長します。
ニシキギ科には、落葉のニシキギ、マユミ、コマユミや
常緑のマサキなどがありますが、これからは要注意です。

 駆除方法ですが、小さく固まっている時には枝ごと
切り取って処分して下さい。
 広範囲に広がってしまったら、薬剤散布です。
ディプテレックス液剤を600倍から700倍にして
散布して下さい。
( 購入には印鑑、身分証明書が必要です)

※ これから薬剤散布が、たびたび出てくると思いますが
  薬の保管場所等には、くれぐれもご注意下さい。
  希釈倍数と散布時間(日中はできるだけ避けて下さい)
  にも気を付けて頂きたいと思います。


           毒物劇物取扱責任者 飯口 晃

 
第4号 「 庭の道具と、乾燥注意報 」      

2009. 4. 8

 このところ、やっと春本番という気候になりました。
この陽気で、近くの小学校の桜も咲き始めました。
庭の仕事もこれから忙しくなりますね。

 庭仕事と言えば、スコップは欠かせません。
私たちが使うスコップは、スチール製の物がほとんどです。
メーカーは「金象印」が一番使い勝手が良いようです。
(注、広告費はもらっていませんよ)
スチールなので、石などを動かしたりする時に
バールの役目も兼ねてくれますし、何といっても
柄と先端のショベル部分の角度が浅く、力が入ります。

 写真は、右から卸したて、3ー4年使用、引退(7ー8年以上)
たぶん、一般家庭では一生物でしょう。
なお、先端部はグラインダーで砥いであります。
少しくらいの木の根は、鋏を使わなくてもきれいに切れます。

 さて、今日あたりは、だいぶ空気が乾燥してきました。
皆さん、夏は気をつけて水やりをして下さるのですが
今はまだ、ホースリールを片付けてあるのでは?
この季節は一年の内でも意外と乾燥するのです。
特に、植えてから1ー2年の樹木は、まめに水やりを
お願いいたします。

 水やりの目安は、スコップで軽く地面を掘ってみて
乾いていたら...。

 

 第3号 「 庭木の植え込み 」
         

2009. 3.28

 昨日、朝起きたら雪が降っていました。
幸い、春の淡雪で済みましたが、芽吹いたばかりの草木は
さぞ、びっくりしたことでしょう。

 これから、新葉が開くまでの期間は、庭木の植え込みや
移植に適しています。
もう、地面が凍る事も無いと思いますし、移植のため
根を切られた樹木は、それに対応する葉や、花を付けてくれます。
 特に落葉樹は、やわらかい新葉が出たばかりの時期に移植
すると、葉がしおれてしまう事があり、要注意です。
葉が硬くなるまで待って下さい。
(最近植えた木や、鉢に入ったもの、小さな草花は例外ですが)

 また、長い間、移植していない樹木や、大きなもの、移植が
難しい樹種(モクレン科、ジンチョウゲ科等)については
いつでも、ご相談下さい。

 
第2号   「 害虫予防 」
    

2009. 3.16


 週間天気予報を見たら、雪ダルマはもう無いようです。
冬囲いは、そろそろ取りはずしても良いと思います。
樹々の新芽や蕾がだいぶ膨らんできました。
新緑の季節もあと少しです。

 この時期からの害虫対策として、殺虫剤の散布が
おすすめです。それも粒剤を樹の根元に蒔くのです。
薬品名はダイジストンやオルトランなどです。
樹の大きさにもよりますが、2ー3mの樹で
一つかみから二つかみ位を、樹の根元から半径1mほどの
範囲に散布して下さい。
雨の降る前が効果的ですが、降らなかったら水をかけて下さい。
月に1回くらいで、9月ころまでやれば充分です。

 写真の樹はカエデです。モミジの仲間は根元から
カミキリムシの幼虫(鉄砲虫)が入って樹を枯らしてしまいます。
できるだけ根元の近くに散布すると予防効果があります。
 
 新葉が出る頃にはアブラムシも付き始めます。
アブラムシにはアドマイヤー等の粒剤か
液剤散布が良いと思います。
いずれの薬も、果樹や野菜等は残留するので
説明書を良く読んで下さい。
(ハンコの必要な薬もあります)

 
 毒物劇物取扱責任者 飯口 晃
  

    
第1号   「 庭木の剪定 」

2009. 3. 3

 早いものでもう3月になりました。
梅の花も咲き始め、これから春の花が
次々に開くことでしょう。
 花が咲き始めると縛ってある冬囲いの縄が
気にかかると思います。
 でもあともう少し待ってください。
3月の雪は湿って重いのが特徴です。
暑さ寒さも彼岸まで。今月の中旬過ぎまでご辛抱を。

 それと落葉樹の剪定についてです。
ほとんどの落葉樹が新芽を出すために根が
動き始めています。
 今、枝を切ると水圧がかかったホースを
切るのと同じ状態になり、樹液が流れてきます。
樹にも負担になりますので、
剪定は葉が出そろってからにして下さい。

 

2010年第20-34号 2011年第35号-