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CDがLPに取って代わった頃、
音楽再生に未来はないと思いました。
それ程その頃のCDとCDプレーヤーは
完成度が低かったように思います。
 今世紀に入って、ようやくソフト、ハードともに
聴くに堪える、いや聴くに値する物に
なって来たと感じています。
 
 このコーナーではジャンルを問わず、気に入ったCDを
思い付くままに棚から取り出してみたいと思います。
 

 ♪ 記載したCDは番号が変わっているか、
廃盤になっている物もあるかもしれません。
お問い合わせ、ご注文は新潟のCDショップ、
コンチェルトさんにお願いいたします
。 
                       
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P.11-20  P.21-30  P.31-

P.1  モーツァルト ピアノソナタ15番 ハ長調 K545

               ワルター・ギーゼキング(P)  
               

独 EMI CHS 7 636882  (全集)
               東芝 EMI TOCE-59128 (選集)

 ソナチネに入れられる程小さなソナタですが、
モーツァルトの作品の中でも大好きな曲です。
半世紀以上前のモノラル録音ですが   
ギーゼキングの澄んだ軽やかなピアノの音は
いとも簡単に別世界に連れて行ってくれます。
新緑の木の葉をゆらして吹き抜ける風.........。
雲間から開ける青空と陽光........。
言葉に表すのは難しいですが機会がありましたら
ぜひ聴いてほしいです。
   

P.2 サリー.ガーデン (イギリスの愛の歌)

    波多野 睦美(Ms) つのだ たかし(Lt)他
                 
                    PARDON TH 4830 

  初めて二人の演奏を聴いたのは
1994年の晩秋だったと思います。
山荘のような個人宅でのホームコンサートでした。
夕暮れ時から始まる予定でしたが、外は大荒れの天気。
窓の外は雑木が大きな音をたてて揺れていました。
そんな木枯らしの中、静かなリュートと伸びやかな歌声が
流れ始めました。まるで風の音を通奏低音にするかのような
本当に奇跡的な演奏会でした。
このCDはコンサートの後、お二人からサインして頂いたものです。
今も聴くたびにあの日に帰ります。

 P.3 ジェンナ ( jenna /nobuya sugawa )

須川 展也(sax) マーティン・テイラー(g)

東芝EMI TOCT-24598

 冬の音楽喫茶&BAR「楽風舎」では、昼の間はクラシックが
夜のBARタイムは、JAZZが流れている時が多いです。
昼から夜へ移り行く夕暮れ時は、選曲にとても苦労します。

 そんな時、つい手が伸びるのがこのCD。
ギターとのディオという、シンプルな演奏ですが
素朴なギターの音色とソプラノサックスの
透き通った伸びやかなな旋律が
昼と夜との架け橋になってくれます。

P.4  スターダスト ( WILLIE NELSON - STARDUST )

ウィリー・ネルソン(vo/g)

COLUMBIA CK 65946 (輸入盤)

 このCDを最初に見つけた時の事は、今でもはっきり覚えています。
近くの本屋さんのCD置き場の片隅に挟まっていたのです。
今のようにインターネットで検索する事もできない時代でした。
ずーと探していたCDが、まさかこんな田舎の本屋さんに!
と、飛び上がったのを思い出します。

 ウィリー ネルソンの独特の高い声でアメリカのスタンダードが
次々と歌われます。最近 トニー・ベネットや ロッド・スチュワートも
味のあるスタンダード集を出していますが、カントリーミュージックの
血が通ったウイリーの歌声は、また格別です。

P.5 ラフマニノフ ヴォカリーズ 

アンナ・モッフォ(S) 他

BMG Music  09026-63669-2(輸入盤)

 20代のころ、新潟でクラシック喫茶をやっていました。
夜9時に閉店でしたが、後片付けや翌日の準備、
それと、閉店後も毎日のように、最後まで残ってくれるお客様?で
12時を過ぎる日がほとんどでした。
レコードをセットするのにも疲れてくると、FMの出番です。
日付けが変わる時は決まってNHKの
「夜の停車駅」でした。
 エンディングに使われたのが、このアンナ・モッフォのヴォカリーズ。
静かで深く、遠い世界に浮遊していくようなこの曲を
何百回聞いた事でしょう.....。
 
 このCDには作曲者のラフマニノフ自身の演奏や
さまざまな楽器によるヴォカリーズが13曲、収められています。
名曲は何回聴いてもあきません。

P.6 ヴィジョンズ ( VISIONS )

           リチャード・ストルツマン(cl)   
   

BMG JAPAN BVCF-1535(国内盤)
BMG Music  09026-68072-2(輸入盤)


 気に入った飲み屋さんがあると、このCDを置いてもらいました。
静かに飲みながら聴いていると、心と体が軽くなっていきます。
映画で使われた曲ばかりを収めた、ストルツマンのこのCDは
クラリネットの音が軽く柔らかで、まるで人間の歌声のよう...。

 アレンジもジャケットも素晴らしく、
何年たってもCDラックの一番前を飾っています。

 

 P.7  J.S.バッハ  教会カンタータ集  

      鈴木 雅明(cond) バッハ・コレギウム・ジャパン他


BIS-CD-781

 バッハの200曲あまりのカンタータは、その曲の多さと
さまざまな楽器が用いられている事で、バッハの音楽の
中核を成すものではないかと思います。
 
 ただ、曲数が多く、演奏者にとっても全曲録音するのは
至難の業だと思います。
至難といえば、買う方にも当てはまります。
リリングの全集は途中で挫折してしまいました。

 20世紀も押し詰まった頃、嬉しいニュースが入ってきました。
なんと、日本人の演奏者集団、バッハ・コレギウム・ジャパンが
カンタータの全曲録音に向けて、CDを発売したのです。
それも素晴らしいものでした!
 今度は、なんとしても全曲、集めたいと思っています。
(バッハ・コレギウム・ジャパンのカンタータ集は
 2009年4月現在、42巻がリリースされています。まだまだ先が)

 左のCDに入っている「神の時は、良き時かな」BWV106は
数多くあるカンタータの中でも、思いで深い曲です。
冒頭のリコーダーが静かに流れ出すと、とても穏やかな気持ちに包まれます。

P.8 つづれおり ( Tapestry )

キャロル・キング (vo)


EK   65850 (輸入盤)
EICP 20003 (Blu spec CD 国内盤)

 先日、新潟からの帰り道、夕陽がとてもきれいだったので
川沿いを、車で走ってきました。
 FMのスイッチを入れると、不意にキャロル・キングの
「君の友だち/You've Got A Friend」が流れ出しました。

 オジサンは、こんなシチュエーションに、とても弱いのです。
すぐに目頭が....。

 キャロル・キングの少しハスキーな声で
「冬でも、春でも、夏でも、秋でも、、」と歌われると....。

 帰ってきて、CDを数えたら同じものが6枚もありました!
もしかしたら、もっといい音で聴けるのでは、という気持ちが
こんな結果に...。
 でも、最近リマスタリングされてからは、どれも泣かせます。
 

P.9 シフォーチの別れ (チェンバロによるアリア集)


        武久 源造 (cemb)

AEO-501

 春は出会いと別れ、と言いますが、旅立つ人への贈り物に
このCDは、とても良いのではないかと思います。

 武久 源造さんのこのアルバムは、ルネッサンスからバロック
までの小品が、15曲収められています。
どの曲も、哀愁をおびた、とても素敵な曲ばかりです。
チェンバロの音も、きれいに入っており、楽風舎の愛聴盤です。

 数年前、「りゅーとぴあ」でのオルガンコンサートで初めて
お目にかかりましたが、目がご不自由でいらっしゃるのに
その指使いの見事さに驚きました。
LPで数え切れないほど聴いた、往年の名演奏家
ヘルムート・バルヒャ氏を思い出しました。 

 P.10 ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング
          (You Must Believe In Spring)

ビル・エヴァンス(P)        

エデイ・ゴメス(b)     
エリオット・ジグマンド(ds)

独Warner 7599-2 3504-2(輸入盤)
WPCR-13176 (SHM CD 国内盤)

 ジャズを聞き始めた20代の頃、雑誌やレコード店で
エヴァンスの名前と、LPは良く目にしました。
ジャズの好きな友人からも進められ、何枚か手に入れました。

 今、手元に残っているのは「ワルツ フォー デビィ」他
数枚だけですが、硬質で少し憂いを秘めたエヴァンスの
ピアノの音がとても好きでした。 

 この頃、良く聴くCDが「You Must Believe In Spring」。
きれいな、きれい過ぎるアルバムに、愛する人たちとの
悲しい別れが詰まっている事は、最近知りました。
 
 たくさんの悲しみを知らないと、あんなにきれいな音は
出せないのでしょうか、、、。


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