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CDがLPに取って代わった頃、
音楽再生に未来はないと思いました。
それ程その頃のCDとCDプレーヤーは
完成度が低かったように思います。
 今世紀に入って、ようやくソフト、ハードともに
聴くに堪える、いや聴くに値する物に
なって来たと感じています。
 
 このコーナーではジャンルを問わず、気に入ったCDを
思い付くままに棚から取り出してみたいと思います。
 

 ♪ 記載したCDは番号が変わっているか、
廃盤になっている物もあるかもしれません。
お問い合わせ、ご注文は新潟のCDショップ、
コンチェルトさんにお願いいたします
。 
                       
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P.1-10   P.21-30  P.31- 

P.11  モーツァルト フルート四重奏曲全集

    
         有田 正広(フラウト トラヴェルソ)

ポッケリーニ・クァルテット

DENON COCO-6143
DENON COCQ-84551(HQ CD)

 CDに希望の光が見えた、最初の一枚です。
LPの音とは、かけ離れたCDの音に諦めかけていた1990年頃。
 大好きな 有元 利夫さんのジャケット に引かれて購入しました。

 最初はCDラジカセで聞いていたのですが、ラジカセに
出力端子が付いている事を発見して、さっそくアンプに...。
接続して聞いてみたら、なんと!聴けるではありませんか!
 これは、もしかして、もしかするとCDも進化しているのでは?
と、思わせてくれた、初めてのCDです。

 その後、有田さんとはコンサートなどで、何度かお話をさせて
頂きましたが、フルートの音と同じように、爽やかで大らかな
お人柄でした。   

 P.12  至上のファド( FADO MAIOR )

         カティア・ゲレイロ(vo)

ラティーナMUSAS 5002

 楽風舎でのフラメンコ コンサートで、女性の歌い手(カンテ)の
搾り出すような地声に圧倒されました。

 ファドはスペインの隣の国、ポルトガルに生まれた大衆音楽。
日々の喜びや悲しみを歌うのは、フラメンコのカンテと同じです。

 ファドと言えば、女王「アマリア・ロドリゲス」。
あまりにも偉大な為か、長らく他の人のCDはありませんでした。

 でも、今世紀になって、ようやく新星が現れました!
その名は「カティア・ゲレイロ」
アマリアとは違って、若く軽やか歌声ですが、哀愁を帯びた
ポルトガルギターとともに曲が流れ出すと、何ともいえず
心がざわつきます...。

 いつかポルトガルに行ってみたいですね ...。

P.13   ステファン・グラッペリ / プレイズ コール・ポーター

      ( Jazz in Paris )


ステファン・グラッペリ (vn) 他

Universal Music France 0602498420249

 Jazz in Paris のシリーズは、廉価版でありながら
ジャケットのパリのモノクロ写真がとても素敵で
何枚も持っています。
 
 コール・ポーターの名曲を集めたこのCDは演奏と録音の
良さで、お薦めの一枚です。

 グラッペリのスウィンギーなヴァイオリンと、ハモンドオルガン
の絶妙な掛け合い、抜けるようなシンバルの音を聴く度に
「う〜ん...!」と唸りながら、お酒が進みます。

 クラシックの演奏会に来て頂いた、若いヴァイオリニストに
「好きな演奏家は?」と訊ねたら、即座に
「ステファン・グラッペリです!」との答えが返ってきて
やはり「う〜ん...!」と唸りました...。 

P.14  リコーダー&ミュゼット / 篠原 理華

篠原 理華 (recorder&musette)

岡田 龍之介(cemb). 他

バウンデイ DQC 219

 1998年の1月31日、「楽風舎こけら落としコンサート」
岡田 龍之介さんと一緒に、若い女性のリコーダー奏者が
来てくださいました。
明るく無垢なリコーダーがとても素敵で、岡田さんのチェンバロの
響きとともに、生涯忘れえぬコンサートとなりました。

 笑顔がかわいい、その人が篠原 理華 さんでした。
彼女は、その後も楽風舎での演奏会に来て頂いたのですが
数年の間に、とても広がりがある音楽を聴かせてくれたので
驚いたのを思い出します。

 そんな彼女が、2005年の6月に天国へ召されるとは...。
岡田さんから知らせを聞いたときは、声も出ませんでした...。

 亡くなられてから4年が過ぎた今年、篠原さんの演奏を収めた
CDが、篠原さんのお母様から届きました。
生前のいくつかのライブから収録された、このCDを聴くと
楽風舎での演奏会が思い出されて、感無量です...。

 きっと天上でも、素敵な笛の音を響かせている事でしょう...。

P.15  この素晴らしき世界 (a wonderful world)

    
         トニー・ベネット (vo)

k・d・ラング (vo)

米RPM/COLUMBIA    CK 86734(輸入盤)

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
B00007DXSQ(国内盤)

 このCDが作られたのが2002年。
トニー・ベネットはなんと76歳でした!
それにしても、なんという歌声...。
ますます渋さと軽やかさが増しています。

 前作「ウィズ・マイ・フレンズ」に続くデュエットの
CDですが、今回はカナダ出身の女性カントリーシンガー
k・d・ラングがパートナー...。
息もぴったりに、サッチモのナンバーが12曲流れます。
本当に粋で惚れ惚れするような歌いっぷりです。
こんな風に歳をとりたいものですねー。

 蛇足ですが、このCDを聴いてから、楽風舎にJBL
入れようと決めました。

P.16  歌の調べのように

    
         水谷川 優子 (vc)

ビクター エンタテインメント
VICC 60428

 水谷川さんのCDを初めて聞いたのは
なじみの喫茶店でした。
同席したお客さんが、お知り合いのお嬢さんが出した
CDを聞いてみてとの事で、私も...。

 アマチュアの演奏者の録音だろうと、軽い気持ちで
聞いていたら!
思わずその場でサイン入りのCDを2枚買いました。

 その後、りゅーとぴあでのコンサートや他の場所でも
生の演奏を聴きましたが。なんともいえぬ明るくて
おおらかなチェロの響きに魅了されました。

 このCDは、だれもが聞いた事のある小品17曲が
収められています。
最初はおとなしく聞こえるかも知れませんが
回を重ねると、やがて、しっとりと心に響いてきます。

 水谷川さんが住んでいるフィンランドの野山の風を
感じさせてくれるような気がします...。

P.17  ROSA (ホーザ)

    
         ホーザ・パッソス (vo/g)

米TELARC CD-83646(輸入盤)

 夏の夜はビールとボサノヴァでしょうか...。

 ホーザのしっとりとした歌声とギターの爪弾きが
なんともいえず心を落ちつかせます。
聴き進むうちにやがて異国の街角が現れてきます。
坂のある港町の酒場。
その片隅で静かに歌うホーザ...。
潮を含んだ夜風にのって流れるギターの音色...。

 居ながらにして、地球の裏側へ...。

すこしビールを飲みすぎたようです。

P.18  Live At Blues Alley

    
         エヴァ・キャシディ (vo/g)

米Blix Street Records G2-10046(輸入盤)

 数年前、新宿のCDショップの飾り棚に
このCDがありました。
 なんとなく惹かれるように手に取ったのですが
ジャケットの表にも裏にも演奏者の名前がありません。
(あとで見つけたのですが、ジャケットの店の看板に
小さくEVA CASSIDY が)
ただ好きな曲が何曲が入っているので買ってみました。

 新潟に帰ってから聴きますと...!
スティングの名曲、「Fields of Gold」のすばらしい事!!
次の「Autumn Leaves」も心にしみます。
そして「What A Wonderful World」へ...。

 でも、歌声の彼女は、もうこの世界にはいませんでした。
録音だけを残し、1996年に33才で天国へ...。

 黄金色に実ったの田園を見ると、このCDを思い浮かべて
幸せな気持ちになります。

  P.19  THE BEATLES MONO BOX

    
         ザ・ビートルズ

EMI TOCP-71041〜53

 9月9日、全世界同時にビートルズのすべてのアルバムが
デジタル・リマスタリングされて発売になりました!

 私もさっそくCD屋さんへ...。
最初に買ったのはデビューアルバムの「PLEASE.PLEASE.ME」他数枚。
楽風舎でさっそく聴いたら確かに音は鮮明になっていますが
なんか変。よーく見たらモノラルがステレオになっています。
うーん...。
あわててこの「モノ・ボックス」を買いました。
それにしても国内盤は高かったー...!
でも限定盤と書いてあるしねー...(涙)。

 聴き比べると最初の方のアルバムはやっぱりモノのほうが
しっくりきます。
考えてみれば、一番良く聴いたのは小さなポータブルラジオ
だったから、しかたがないのかも知れませんね...。
 
 その後、このCDをいろいろな装置で聴いてみましたが
今のところ、一番うまく鳴るのは走行中のカーステレオなのです。

 昔、繰り返し聴いた音楽を再生するのは難しいですね。
なにせ思い出というフィルターがかかっていますので...。

  P.20  SCHUBERT FOR TWO

    
         ギル・シャハム(vn)

イェラン・セルシェル(g)

D.G.G 471 568-2

 秋の夜長にぴったりな一枚を...。

 イスラエル生まれのシャハムと、スウェーデンの
セルシェルがディオを組んだ素敵なディスクです。
 
 ここではシューベルトの器楽曲と歌曲の数々を
ヴァイオリンとギターが奏でています。
その澄んだ音色と歌心は、ここ数年のCDのなかでは
抜きん出ているのでは...。

 セレナーデ、そしてアヴェ.マリアなど聞き覚えのある曲が
次々と流れてくると、思わず口からハミングが...。


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