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CDがLPに取って代わった頃、
音楽再生に未来はないと思いました。
それ程その頃のCDとCDプレーヤーは
完成度が低かったように思います。
 今世紀に入って、ようやくソフト、ハードともに
聴くに堪える、いや聴くに値する物に
なって来たと感じています。
 
 このコーナーではジャンルを問わず、気に入ったCDを
思い付くままに棚から取り出してみたいと思います。
 

 ♪ 記載したCDは番号が変わっているか、
廃盤になっている物もあるかもしれません。
お問い合わせ、ご注文は新潟のCDショップ、
コンチェルト
さんにお願いいたします
。 
                       
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P.1-10
  P.11-20  P.21-30  

 .31  コレッリ [À LA MODE] / ヴァイオリン ソナタ集
                      (リコーダー編曲版)

         シュテファン・テミング(Rec
オルガ・ワッツ(Cemb

OEHMS OC-598

一見、ロックの兄ちゃん風なジャケット写真ですが
これが、とんでもないリコーダーの名手!

 音楽喫茶「楽風舎」の時、お客さんから
貸して頂いたCDの中の一枚なのですが
音が出たとたん、す、すごい・・・。
まるで音符が楽しそうに飛び出すのが見えるようです。
さっそくコンチェルトさんに注文したのは言うまでも
ありません。

 テミングは、南アメリカのケープタウン生まれ。
今年ようやく24歳になる青年でが、これからどんな
演奏者になるのか想像も付きません。
うーん、やっぱり天才はいるんですね・・・。 


2011. 3. 3

.32  モーツァルト:交響曲第39番、41番「ジュピター」                      

         ジョン・エリオット・ガーディナー(Cond
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
SDG711

 震災の後、しばらく音楽を聴く気分に
なれませんでした・・・。

 時が過ぎて、ようやく手に取ったCDがこの一枚・・・。
ガーディナーが2006年にロンドンで指揮したライヴ盤。
演奏会終了後に、当日の聴衆に販売する目的で
録音されたそうです・・・。
それが5年後の今年になって、やっと店頭に・・・。
 
 そのCDを楽風舎の再生装置の限界に近い
大きな音量で聴きました。
39番が鳴り始めます・・・。アダージョからアレグロへ。
オーケストラのさざなみの中から木管が鮮やかに
浮かび上がり、音楽の光が体を突き抜けます・・・!
ガーディナーに対する今までの印象が一変しました。

 モーツアルトの明るさと強さに満たされ
久しぶりに音楽を聴ける幸せを感じました・・・。 

2011. 4. 29

.33  レイナルド・アーン歌曲集                      

         スーザン・グラハム(Ms)
ロジャー・ヴィニヨーレス(P)

SRCR 2357(国内盤)
SK  60168
(輸入盤)

 初夏の遅い夕暮れ時に聴きたくなる一枚を・・・。

レイナルド・アーンは1875年に南米ベネゼエラで
生まれ、3歳の時にパリに移住しました。
幼い時からピアノの弾き語りで、たちまちサロンの
人気者になったとの事・・・。
その美しい旋律は、師匠のマスネの教えが大きかったと
言われています。

 このCDを聴く度に、心の隅にある若い時の
記憶がよみがえります。
ただ漠然としたあこがれ。現実感の無い恋心とでも
言ったほうが近いかも知れません。

 
明るい夕刻に、音量を小さく絞って聴いていると
いくつになっても心がざわつきます・・・。

2011. 6. 18

.34  月と星の歌                      

       ダイアナ・パントン(Vo
レグ・シュワガー(G
ドン・トンプソン(P/b

MZCF-1229

 今夜は七夕です。
あいにく新潟は梅雨の曇り空で、星は見えないようです。
こんな蒸し暑い夜は、涼やかな歌声のこのCDを・・・。
月や星が出てくる歌ばかりを集めた、めずらしい一枚です。

 最近カナダ生まれの素敵なシンガーが次々と現れますが
ダイアナ・パントンもカナダの新星・・・。
少女のような、かろやかな歌声を、少し絞ったボリュームで
聴いていると、蒸し暑さもすーと引いていきます・・・。



 

2011. 7. 7

.35  J..バッハ  無伴奏チェロ組曲 BWV 1007-1012                      

       トゥルルス・モルク(Vc

EMI Virgin 7243 5 456502 1(輸入盤)

 長かった夏も終わり、ようやく音楽を聴く気力も
湧いてきました・・・。
久しぶりに音楽会へも足を運び、チェロの深い響きを
楽しんできました。

 そこで紹介するのもこのCDを・・・。
昨年から今年にかけて、チェロのCDで一番多く
聴いたのがこの無伴奏・・・。
ノルウエー生まれのトゥルルス・モルクのバッハは
ゆったりとした呼吸とともに音が外に向かって
静かに広がって行きます。
高く眺めの良い山道を歩いて行くように
聴き進むうちに心と体が軽くなります。

 いい演奏に出会えました・・・。
 

2011. 9. 25

.36  モーツァルト 後期交響曲(第35番〜41番)、他                      

       ラファエル・クーベリック(cond

バイエルン放送交響楽団

SONY 88697884112(輸入盤)

 LP手帳(P.30)にも書いたこの演奏。
CDになってから何度かけても、LPの時のような
音楽が鳴ってくれません・・・。
 半分あきらめかけていたのですが、最近この輸入盤が
店頭に並んでいましたのでダメもとで買ってきました。
7枚組みで2,000円ほどの廉価盤ですが、音が出た瞬間

いいではないですか!!

 LPの時の感動が伝わります!
同じ演奏なのですが、音楽が違って聴こえます。
そんな訳で、気に入ったCDが再発される度に
また一枚、また一枚と同じCDが増えることに
なるのです・・・。
ただジャケットが今ひとつなので、こちらの方に
中身だけ入れ替えさせて頂きました・・・完璧!

 

2011. 10. 9

.37  ホテル カリフォルニア

       イーグルス

ワーナーミュージック WPCR-14165SACD/CD

 1976年12月8日、今から35年前に
リリースされたイーグルスの名盤です。
ところがCDになってからはどうしても聴く気に
なれませんでした。
 
 先日、友人が持って来たポータブルステレオ
から流れてきたホテルカリフォルニアがあまりにも良くて
やっぱりLPじゃないとこの音は出ないのかなー
と思っていたら、某CDショップの棚にこの一枚が・・・。

 DSDリマスタリングされたスーパーオーディオCD
だとか・・・。なんだか良く分かりませんでしたが
もしかしての期待を込めてレジに・・・。

 楽風舎にはSACDのプレーヤーがありませんので
普通のCDプレーヤーに・・・。
出てきた音はそうとうLPに近い!もしかすると・・・!
35年目で、ようやくあの感動がよみがえりました。

2011.12. 8

.38  ベートーヴェン・他 歌曲集

       ペーター・シュライアー(T)

コンラート・ラゴスニック(g)

BERLIN Ciassics 0010542BC

 今日はベートーヴェンさんの誕生日です。
そこであまり聴く機会の少ない歌曲を・・・。

  ペーター・シュライアーは2005年に引退しましたが
ドイツが生んだ名テノール歌手・・・。
このCDはベートーヴェンの他に、ブラームスなどの歌曲が
26曲収められていますが、その中でベートーヴェンの曲は
「アデライーデ」「君を愛す」の2曲だけ・・・。
しかし、これがとてもいいんです!
控えめなギターの伴奏で、かろやかに若いベートーヴェンの
憧れが歌声となって流れます・・・。
ベートーヴェンはやっぱりロマンチスト!!

 このCDはまだ手に入るのかなー?
頼みのコンチェルトさんはもうすぐ閉店だし・・・。
本当に残念! でも7年半ありがとう!!


 

2011. 12. 16

.39 「 永遠の故郷 」CD版
                         吉田秀和 著
                             集英社
 半年あまりも更新しませんでした。
その間も音楽はいっぱい聴いていたのですが
文字にするのはなかなか大変で・・・。
(ただの言い訳です・・・)

 音楽を文字にすると言えばこの人を抜きにしては
考えられません。
本当に残念ながら先月、98歳の天寿を全うされて天国に
召されました・・・。
私も吉田秀和氏の多く書籍やFMの「名曲の楽しみ」から
たくさんの心に残る音楽を教えて頂きました。

 そんな氏の最後の本が「永遠の故郷」四部作です。
好きな歌曲とともに氏の生涯が静かに語られています。
先日、この本のCD版が発売されました!
文中に登場する歌曲がCD5枚に収められていて
氏の訳詩と解説書が付いています。

 たくさんの歌の中でピアノ独奏が一曲だけ入っています。
アナトール・ウゴルスキの「エリーゼのために」が・・・。

 あらためてベートーヴェンと、そして吉田氏の大きさを
感じました・・・。

                                2012.6.21

.40 「ロベール牧師のオーボエ」

              ジャン=クリストフ・ロベール(Ob)
                    ナサナエレ・マリー(Vn)
             ファビエンヌ・シュターデルマン(Va)
                    クレール・オペール(Vc)
                  ヘルガ・シャウエルテ(Org)

                    Accord  476 4871 (輸入盤)

 秋もだいぶ深まってきました・・・
こんな季節はオーボエの音色が心に入ってきます。

 このCDは、今回の開店中も何度となく
CDプレーヤーのトレイに入れました。
たぶんお客様から一番多く盤名を聞かれたのでは
ないかと思います。
BACHを始め、聞き覚えのある静かな旋律が
次々と流れてきます・・・。
ゆったりした伸びやかな演奏も素敵ですが
録音もまた秀逸です!

 ジャン=クリストフ・ロベールはパリ市音楽学校を
主席で卒業し、オーボエ奏者の他に牧師さんや
医学療法士の肩書きも持っているそうです。
教会や病院でこんな演奏が聴けたら
どんなに安らぐことでしょう・・・。

 このCDは、新潟市東掘のコンチェルトさんに
お願いすれば手に入ると思います。

                               2012.11.14


P.1-10
  P.11-20  P.21-30